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秋のニューヨーク

秋のニューヨークに行ってきました。

コロンビア大学で行われた、世界文化精神医学会の第三回大会。

 

この学会にはこれまで参加したことがなかったのですが、長年の友人、コロンビア大学のロベルト・ルイス・フェルナンデスさんが大会長をするということもあり、頑張って行ってきました。

30年近く前、私がハーバードに客員研究員として留学していた時に、ロベルトはポスドクの研究員。

お互い年をとるものです。

 

学会では、「トラウマを耕す」というテーマのもと、シンポジウムも一つ、主宰しました。

私は「トラウマをめぐる秘密と嘘」について、

NYのホワイト・インスティチュート(対人関係精神分析で有名なところです)のエルネスト・ムヒカさんは「迫害者との同一化」について、

ダニエル・ガズタンビデさんは、「メンタルヘルスの格差とリバレーションサイコロジー」について、トークしました。色々と面白い質問も出て、とても有意義な集まりになりました。

学会の詳細は、http://wacp2018.org/に載ってます。

 

日本では、私のような人間は極めてマイナーなのですが、

この学会では、自分自身が複数の文化背景を持つ専門家が多かったり、

精神医学と人類学など、複数の学術領域を行き来する人たちが多かったりで、

「なあんだ、自分と同じような人間はたくさんいるんだ。孤独じゃないんだ」と、

しみじみ感じられる機会になりました。

イースター島や、ルクセンブルクや、パリや、トロントで臨床をしている人たちと仲間になりました。

 

また、アーサー・クラインマンやバイロン・グッド、メリージョー・グッドなど、

留学時代にお世話になった恩師にも会え、感慨深いものがありました。

先が見えないまま歩んできた自分の軌跡を、たどりなおすような感じでした。

 

セントラルパークは紅葉の一歩手前でしたが、それでもすがすがしい空気でした。

MoMAには閉館間際で10分しかいられなかったのですが、Seed of Loveというインク画に一目惚れしてしまいました。Charles White の特別展が開かれていて、これまで知らなかったアーティストなのですが、すばらしい!もっとゆっくり見たかった。

 

森茂起先生との対談は、「こころの科学」最新号に載ってます。ぜひぜひお読みください。

それでは、秋の夜長を楽しみましょう。