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「波」を読みました。

 

最近、ソナリ・デラニヤガラの『波』を読みました。

スマトラ沖地震による津波に呑みこまれ、幼い息子さん二人と夫と両親を亡くし、一人だけ生き残ってしまった女性の手記です。スリランカ出身の研究者でもあります。

 

読むのが苦しくもあるのだけれど、おそろしく美しく、かつ正確無比に、喪失の悲劇的な経験が描かれている作品でした。

 

混乱。

希望を持ってはいけないという思い。

後悔や自責。

怒りや恨み。

回避と追慕。

ふいによみがえる詳細な記憶と、それに伴う激しい感情や思い。

周囲とのあつれき。

支えてくれる人たちとの関係。

慣れ親しんだ場所や風景に触れることの苦しみと喜び。

・・・もちろん、喜びは、かなり時間が経ってからのものだけど。

 

セラピーを受ける中で、書くことを勧められたそうで、8年ほど経って手記として出版されたそうです。

 

分析してしまうと、ありきたりに聞こえるかもしれないけれど、時間の流れの中で「喪失」という経験がどう変容していくのかが、全感覚を用いて描かれています。亡くなった息子さんたちも彼女の中で成長し、物を見たり、声をあげたり、思考を深めたりしています。

 

 

 

『母の友』の10月号に、「疲れたときに」が掲載されています(p32-33)。

https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5961

 

昨年秋から参加していた、「あるくみるきく」のプロジェクトもこちらから見られます。

https://www.tokyoprojectstudy.jp/2018/study5/

 

 

坂上香さんの新作映画「プリズンサークル」プレビューを見に行ってきました。とても素晴らしい作品です。「嘘しかつかない男の子」のエピソードが印象的でした。砂絵アニメーションも優しくてよかったです。2020年1月から公開とのことなので、みなさんぜひ、観てみてください。

 

あと、花崎攝さんたちの演劇「漂流者」も、パワフルでした!

難民や避難民という重いテーマだけど、ポジティブなエネルギーがあふれてました。

 

あとなにかあったかな?

あったら、ブログ更新しますね。といいつつ、今回もなかなかできなくて、ずいぶん間があいてしまいました。待っていてくださる方がいたら、ごめんなさい!